用語解説
主にリレーカタログで使われている用語の解説です。
接点 |
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接点構成 | ひとつのリレー内に組み込まれている接点の回路構成とコイルに電圧(電流)を印加した時の接点の動作方式をいいます。
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接点材質 | 可動ばねと固定ばねに取り付けられて、電気的に接触性能を保つための材質です。 通常は、導電率、熱伝導率の良い銀が主材料をして使われます。
微小電流負荷では、銀の表面に金を被覆処理するのが一般的です。 |
接点形状 | 対向接点の形状を示します。 接触信頼性向上のため少なくとも一方のばねの先を二股に分け、それぞれに接点を付けた構造を双子接点といい、二つに分けないものを単子接点といいます。
信号切換え用リレーには、双子接点形を系列化しており微小電流負荷の開閉に適しています。 |
接点接触抵抗 | リレーの接点が接触している状態における接触部の抵抗をいいます。
測定方法としては、電流を流したときに接触部で生ずる電圧降下を読み取り、抵抗値に換算します。(これを電圧降下法といいます)。 通常、リレーの接点端子で測定するため、厳密には導電部の導体抵抗も接触抵抗に含まれます。 |
接点定格 | 開閉部の性能を定める基準となる値で、接点電圧と接点電流、負荷の種類で表現しています。
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接点定格電流 | ・接点定格電流
閉じているリレーの接点に連続して通電できる電流です。 ・定格開閉電流 接点に負荷を接続して開閉をすることができる電流です。 |
最小適用負荷
(参考値) |
通常の雰囲気条件(常温、常湿、清浄雰囲気中)で抵抗負荷を開閉するときの目安です。 開閉頻度、使用条件により、最小適用負荷が変わりますのでご注意ください。
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接点定格負荷 | 接点が開閉できる電圧・電流の性能を定める基準で、通常は抵抗を負荷とした場合の値で表されます。
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最大通電電流 | 接点を開閉することなしに使用周囲温度範囲内で、連続して接点に流せる最大の電流値です。
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最大開閉電力 | 接点で開閉可能な最大の電力値を示します。
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最大開閉電圧 | 接点で開閉可能な最大電圧値を示します。 ただし、この場合最大開閉電力をもとに電流値を軽減してください。
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最大開閉電流 | 接点で開閉可能な最大電流値を示します。 ただし、この場合最大開閉電力をもとに電圧値を軽減してください。
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静電容量 | 各接点間の静電容量を示します。 |
コイル |
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定格電圧
(コイル定格電圧) |
リレーを動作させるためにコイルに印加する電圧の最適値を定格電圧(コイル定格電圧)といいます。 別途表示された使用周囲温度内であれば、この電圧によってリレーを確実に動作させることができます。
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コイル抵抗 | リレーのコイルの直流抵抗値をいいます。 通常、コイルの線材(ポリウレタン被覆銅線)の線径のばらつきによって、コイル完成後において、±10%から15%のばらつきがあります。
また、コイル抵抗値は、周囲温度を20℃(常温)にて測定した値が記載されています。周囲温度が高くなると銅線の温度係数によって抵抗値が高くなります。 周囲温度T(℃)のときのコイル抵抗値は、次式によって計算することができます。 ![]() RT : 周囲温度T (℃)におけるコイル抵抗値 R20 : 周囲温度20 (℃)におけるコイル抵抗値 (カタログ値) α : 銅線の温度係数 (0.00393) |
感動電圧
(動作電圧) |
リレーのコイルに印加する電圧を0Vから徐々に増加させると、ある電圧値でリレーが動作します。 このときの電圧値を感動電圧といいます。
通常、直流形リレーの場合、感動電圧はコイル定格電圧の70%から80%以下に分布しています。 周囲温度が高くなるとコイル抵抗値が増加するので、リレーの感動電圧は上昇します。 周囲温度T(℃)中での感動電圧は、次式によって計算することができます。 ![]() VOP (T) : 周囲温度T(℃)における感動電圧 VOP (20) : 周囲温度20(℃)における感動電圧(カタログ値) α : 銅線の温度係数 (0.00393) (ご注意) リレー駆動回路は、感動電圧ではなく、コイル定格電圧が印加されるよう設計してください。 |
開放電圧
(復帰電圧) |
リレーのコイルに定格電圧を印加し、一度動作状態にした後、コイルの印加電圧を徐々に減少させていったとき、かなり低い電圧になってリレーが復帰します。 このときの電圧値を開放電圧といいます。
通常、直流形リレーの場合、開放電圧はコイル定格電圧の10%(あるいは5%)以上に分布しています。 |
定格消費電力
(コイル定格消費電力) |
周囲温度20℃において特定のコイルに定格電圧を印加したときの電力値をコイルの消費電力といいます。
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絶縁 |
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絶縁抵抗 | 端子相互間の絶縁性能を規定する抵抗値であり、通常は直流の高電圧(一般的に500VDC程度)を非導通端子相互間に加え、そこでリークする電流値を測定し、抵抗値に換算します。
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耐電圧 | コイル-接点間や開放接点間に高電圧を1分間加えたとき絶縁破壊をおこさない電圧の限界値をいいます。
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耐サージ電圧 | コイル‐接点間に所定のパルス電圧を加えたとき絶縁破壊をおこさない波高値をいいます。 |
その他 |
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使用周囲温度 | 特に指定がない限り、リレーの接点(開閉部)には通電しない状態でコイルに定格電圧を印加し、リレーが動作する周囲温度の範囲をいいます。氷点下で、リレーが凍結している状態は除きます。 また、周囲温度が高くなるにしたがって、リレーの感動電圧は上昇し、コイルの許容印加電圧は減少することをあらかじめ留意しておかなければなりません。また、使用周囲温度範囲全域において、すべての特性を保証するものではありません。
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動作時間 | コイルに電圧を印加してからメーク接点が閉じるまで、またはブレーク接点が離れるまでに要する時間をいいます。 すなわち入力してから出力を得るまでの待ち時間です。 通常バウンス時間は含めません。
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復帰時間 | 動作しているリレーのコイル印加電圧を切ってからメーク接点が開くまで、またはブレーク接点が閉じるまでの時間をいいます。 通常バウンス時間は含めません。また、特に記載がない限り、逆起電圧防止用ダイオードを接続しない状態での値です。
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バウンス | リレーが動作・復帰するとき、接点同士の衝突によって生じる接点の開閉現象です。
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機械的寿命 | 標準状態にてリレーの開閉接点部には通電しない状態(無負荷状態)でコイルに定格電圧(電流)を加えてリレーを動作させたときの寿命をいいます。
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電気的寿命 | 標準状態にてリレーの開閉接点部に接点定格負荷を接続し、コイルに定格電圧(電流)を加えてリレーを動作させたときの寿命をいいます。
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耐振動性・耐衝撃性 | リレーが輸送中、または各種機器に組み込まれて使用されている状態で、外部からの振動または衝撃に対する耐久性をいいます。 その振動または衝撃によって、リレーの特性あるいは機能が損なわれない限界レベルを、振動耐久性(耐振動性)、および衝撃耐久性(耐衝撃性)といいます。 また、振動または衝撃によって、リレーの接点が誤動作(振動によって、閉じている接点が瞬断を起こすチャタリング状態)を発生するレベルを振動誤動作性(誤動作性)または、衝撃誤動作性といいます。
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安全規格 | 電気機器に対する感電・火災を防止するための規格で、国によってそれぞれ内容が異なる規格があります。 |